私は今年9年間勤めた仕事を辞め転職した。転職の理由は数多あるが、その一つに、仕事と家事との両立が難しかったことがあります。
前の職場は職員が全員女性だったものの、既婚なのは私の母よりも年上の、すでに子育てを終えた上司一人だけだった。つまるところ、帰宅後に家族に食事を作ったりという家事をする必要がない人ばかりだったため、残業や持ち帰りの仕事が常習化しており、元から要領がいいとはいえない私は、抱えきれなくなってしまったのだ。
転職した現在の職場は、男性は一名のみで、前の職場と同様、女性ばかりである。しかし、そのほとんどが結婚、出産を経験した子育て中の30代女性だ。家事が女性の仕事とはいわないが、子育てに関しては、女性しか担えない仕事が確かにある。多くの女性は20代後半～40代前半で結婚、出産、子育てを経験する。そういった世代の方が仕事を続けている職場というのは、女性にとってはとても魅力的である。
前の職場でも、私が先頭を切って声を出し、残業や持ち帰りの仕事を拒否することもできた。そうすれば、職場の環境や雰囲気が変わり、これから結婚を考えている同僚や後輩たちに良い影響をもたらしたのかもしれない。今の職場でも、最初に結婚し、産休・育休をとり、女性にとって働きやすい環境を作ってきた方がいるはずである。そうなれなかったことは悔やまれる。30代で仕事を辞めたり、転職をしたりする女性は多いと聞く。就職活動の時には若さゆえ気にならなかった、既婚女性の仕事を続ける環境が大きく影響しているような気がしてならない。